「真宗は廃れてなかった。廃れていたのは寺だった」
「死んだらお助けと、門徒には言いなさい」
若き本願寺布教使は、住職に言われて、猛反発しました。
「死んでからじゃ、ホントかどうか、わからんでしょ!」
その熱血漢が、ついに本当の親鸞聖人の教えに出会ったのです。
ある親鸞会講師から聞いた話です。
本山信順さん(仮名)と初めて会ったのは、今年の春でした。講演会で、
「人間の実相」の話を熱心に聞いていました。
終了後、「こんな分かりやすいお話は初めて」と言われましたが、名前も
告げずに帰ったのです。しばらくは、ご縁がありませんでした。
ところが8月、ふと立ち寄ったスーパーで、本山さんが、私に声をかけて
きたのです。
「会いたいと思っていました。親鸞会の講師の方ですね」。
この時、本山さんが本願寺布教使であることを知りました。
「個人的に、話を聞かせていただけないでしょうか」
本山さんは、京都での本願寺の研修会から帰ってきたばかりだと言いまし
た。しかし、どれだけ聞いても教えが分からず、自分のような者には理解で
きないのではないか、と落ち込んでいた。そんな時、「人間の実相」のお話
を思い出し、私に会いたいと思ったと言います。
「自分はどこから来てどこへ行くのか、幼いころからの疑問でした」 と語る
本山さんは、その答えを浄土真宗に求め、本願寺布教使の資格を取ったそう
です。今は住職の元で門徒回りもしていると聞きました。
それから私の家で、一対一の顕正が始まりました。長い時は、朝9時から
午後4時まで。本山さんは真剣でした。
まず、平生業成の意味を伝えると、本山さんの表情がパッと変わり、
「やはりそうだったのですね。現在、助かるのですね。本願寺では『この世
で救われたということはない』と聞かされてきたんです。
住職からは、
『門徒には、死んだら極楽へ往けると話しなさい』
と言われましたが、
『死んだらでは、本当かどうか分からないじゃないですか』
と口論になったこともあります。やっぱりこの世でハッキリ救われるんですね!」
喜びにあふれた本山さんの顔は今でも忘れられません。
親鸞会館でのご法話を案内すると、
「本願寺の者でも聞かせていただけますか。ぜひ連れて行ってください」
と言うのです。目頭が熱くなりました。
本山さんは初めて親鸞会館を訪れ、老若男女いっぱいの参詣者に、声を震わせ、
「こんな世界があったんですね。ああ、浄土真宗は廃れていなかった。
廃れていたのは寺だった!。
高森先生が最後、お仏壇に合掌されて恩徳讃を歌われる姿に、感動で泣
いてしまいました」
と言っていました。本願寺の中にも、本当の聖人の教えを切実に求めてい
る人がいるのだと知らされました。
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